高校生物は1ヶ月で終わらせることができます
こんにちは、理塾です。
受験生の皆さんは、受験の追い込みをしているはずですが、調子はどうですか?
今日は、現在進行形で頑張ってくれている、受験生の実際の取り組みについてご報告しますね。
現在、高校3年生の生徒が夏休みから理塾で勉強してくれているのですが、この生徒さんは理転した生徒さんです。
『理転』というのは、高1の秋に実施される文理選択の時点では「文系」を選んだものの、高3になってから「理系」に変更したことを言います。同じく「理系」から「文系」に変更することは、『文転』と言われます。
一般的には、理数科目は暗記科目ではないために習得に時間がかかるうえ、理数特有のセンスを要求されるため、高3になってからの『理転』は負担が多いと言われます。高校によっては、『文転』は認めるが、『理転』は認めない、という高校もあるほどです。
しかし、この生徒さんは、一度は文系を選択したものの、高校で勉強する中で「管理栄養士」というハッキリした夢を抱き、そのためには農学部を目指す必要がありました。結構な負担があるのは覚悟の上で、それでも「自分の夢」を叶えるためなら、一生懸命努力します、ということで、理系科目を勉強することになったのです。
受験に必要な理数科目として、農学系を目指す場合の理科科目は、「化学」か「生物」か、最低1科目は習得しなければなりません(物理でも受験可能ですが、物理メインで農学部だと、大学進学後に少し苦労します)。
管理栄養士になるためには「化学」「生物」どちらも重要なのですが、生物は暗記も多いので平均点程度の習得なら比較的短期間にできるという理由と、大学になってからの使用頻度が化学より生物の方が多いという理由の、2つの理由から、「生物」を頑張ることになりました。
しかし、この生徒さんは文系クラスに所属しているため、「生物」は勉強したことがありません(生物基礎は学習済)。
さらに、生物の問題の一部は、生物とはいえ化学の理解も必要(タンパク質は、カルボキシ基とアミノ基のペプチド結合でできている等・・・)です。そういう意味では簡単ではなかったのですが、この生徒さんの夢を応援したくて、教室と、この生徒さんとの、二人三脚が始まりました。
まずは、生物の大まかな用語に慣れるためと、とりあえず何でもいいので問題集を1冊終わらせる、という2つの目的から、簡単な問題集を選んで、授業で進めていきました。明確な自分の目標を掲げているので、授業だけではなく自習にも熱心で、毎日勉強を進めてくれます。
(ページ数もそれほど多くなく、最初の1冊として最適です)
簡単なテキストとはいえ、生物を本格的に勉強したことがなかったので、「相同染色体」や「原口背唇部」と聞いても、初めて目にする用語ばかりで、それらの用語を一つ一つ覚えるのも大変です。単に用語を覚えただけで、仕組みや理屈を理解していないと、後に続く応用問題に対応できないので、「どういう変化が起きるのか」という順序や、「なぜそうなるのか」という仕組みについても解説しました。
ちなみに、これは生物の学習に限ったことではありませんが、どんな優れた問題集であっても、1冊で基礎から受験まで対応しているテキストはありません。基本的にはどんな科目であっても、「基礎の習得」と「演習量の確保」と「受験対策」の3段階に分けてテキストを進めていくべきです。よく、「どのテキストが優れている」とテキスト評にこだわる学生さんも見かけますが、基本的にテキストにこだわるのは3段階目からでよく、正直なところ「基礎の習得」に限って言えば、『なんでもいいから、1日でも早く取りかかって、1日でも早く終わらせろ』というのが理塾の指導方針です。
この生徒さんも、高3で時間はほとんどありませんでしたが、時間がなくてもやるべき勉強の進め方は同じですから、「基礎の習得」と「演習量の確保」と「受験対策」3段階で学習を進めています。
さて、最初のテキストとはいえ簡単ではありませんでしたが、本人のやる気がそれを上回った結果、浅く広くではありますが、このテキストを終わらせることができました。ちなみに、用語などをしっかり習得するために、重要なページは2度3度と重複して解説とチェックをするなど、効率を強化しています。
(内容は教科書レベルで、簡単です)
さて、このテキスト。
生物を勉強したことのない生徒さんが、どのくらいで終わらせたか予想できますか?
答えは、2週間です。
浅く広くではあるものの、2週間あれば、生物は一通り習得できました(問題を解いて9割以上の正答率になるのを確認したうえで、次のテキストに進んでいます)。
さて、2週間で終わらせた、とはいえ、これだけではセンター試験を受けるほどの学力は身についていません。
そこで、さらに細かく、より難易度の高い問題集に取りかかることにしました。用語のチェックもさらに多くなり、難易度もそれなりにある問題集だったので、参考書としても定番の「チャート式」を併用しながら授業を進めます。
(やや応用レベルのテキストで、問題量も250問ほどあります)
(センター試験レベルの問題が延々と続きます)
こちらになると、「組み換え価」や「興奮伝導の不応期」が容赦なく襲いかかってくるため、結構な難易度だったのですが、こちらも必死になって終わらせました。
単に、適当に終わらせただけではありません。
この問題集には250問以上の問題が掲載されているのですが、その問題を確実に習得するために、「2周」しました。
要するに、500問を解いたうえで、そのほとんどを正解できるレベル(正答率8割以上)まで到達しました。
のべ500問をほぼ正答させるレベルまでに要した時間は、どのくらいと予想されますか?
2週間です。
2週間必死にやれば、センター試験に準じる問題を500問くらい終わらせることができます。
さすがにここまでくると、記述や国立2次レベルの問題はまだまだですが、センター試験レベルの問題は、だいたい攻略できます。
「生物」を本格的に勉強したことのなかった生徒さんでも、「基礎の習得に2週間」「演習量の確保に2週間」、合計で1ヶ月頑張れば、センター試験で7割8割程度は得点できるレベルに到達するのです。
ちなみにこの生徒さんは、日曜以外は毎日塾に来て、授業と自習に、毎日何時間も取り組んでくれました。
このように、ちゃんと努力をすれば、しっかり成果は出せます。
誰もができる努力量では、頭一つ、飛び出ることはできません。誰もがなかなかできない努力量を黙々と実践すれば、自然と学力はアップするのです。
これは当たり前のことですが、だからこそ、毎日黙々と努力を重ねるのは、本当に難しいことです。誰だって、やる気をなくすこともあれば、逃げたくなることもあります。疲れて少し休憩したくなることもあるでしょう。やればできることはわかっていても、なかなかやる気になれないから、苦労する学生さんは多いです。
そんな中でも、努力を続けられるのは、理塾がある指導方針を貫いているからです。(ブログで簡単に説明できる内容ではありませんが、興味のある方はぜひ教室で聞いてみてください。)
この生徒さんは、さらにレベルを高め、幅広い問題に慣れるため、1ヶ月が経過した今は、こちらの問題集に取り組んでいます。
(最終仕上げに使用しているテキスト。ここまでたったの1ヶ月です)
(出典も、東大、阪大、神戸大・・・と、かなりの難問に取り組んでいます)
この問題集は国立2次向けということもあり、さすがに難易度が高く、半分くらいは記述問題なので、なかなか苦戦しています。記述と計算しかないんじゃないか・・・?という感じがしますが、まさにその通り。生物に限らず、理系科目で難易度の高い問題を作成しようと思ったら、たいていは記述問題か計算問題になるものです。
「呼吸において酸素が必要とされるのはなぜか答えよ」とか、「呼吸において二酸化炭素が出るのはなぜか答えよ」とか、そういうレベルの記述問題が多いのですが、生物が得意な生徒であっても、解くのはなかなか難しいでしょう。
(答:「電子伝達系で24個の水素イオンを12個の水分子にするために、シトクロム酸化酵素が6個の酸素分子を必要とするから」「ピルビン酸がクエン酸回路で脱炭酸されるため」が解答の一例です)
普通に生物を選択して学習してきた生徒さんであっても、全員がこの難易度の問題集を扱えるわけではありません。
学習量が足りなかったり、勉強の進め方をちゃんと理解して学習しない場合は、3年間取り組んできたのにセンター試験で8割すら取れない、ということも十分ありえます。
一方で、しっかり順序を踏んで正しく学習を進め、かなりの演習量を確保できた場合は、自ずと結果は出せるものです。実際に、受験はまだですが、この生徒さんは1ヶ月でセンター試験でそれなりの結果を出せるレベルに既に到達しています。
これは、単なる一例です。
とはいえ、今現在、教室に通って勉強してくれている受験生の<実例>です。
一生懸命に頑張る生徒さんには、とことんサポートしている理塾の取り組みについて、少しでも感じていただければ幸いです。
この生徒さんが、どのような受験結果を掴むかは、受験当日の出来栄えにもよるでしょうが、塾として感じることはただ一つ。
「この生徒は、『私は十分頑張った』、と胸を張れるレベルまで、しっかり勉強に取り組めている」ということです。この過程で身についた勉強の進め方や、努力経験は、受験結果以上にとても価値あるものだと思えるのです。
まだまだ現在進行形で学力アップしている生徒さんなので、受験が楽しみです。
生物を選択している学生の皆さん、センター対策レベルなら1ヶ月で生物を終わらせましょう。
もちろん、中学生の皆さんも同じです。中学校の理科や社会についても、ちゃんと本気になってポイントを押さえて取り組めば、3年間分の内容だって1ヶ月で終わらせることができます(死ぬ気で頑張ってもらう必要はありますよ)。
詳しい勉強方法については、理塾までどうぞ。
【追記】
※たくさんの質問やメッセージを頂戴しています。「相談したいことがあるので、アドバイスをください」という要望には、それなりに対応してきました。
※ただ、コメント1つ返すのにも、それなりにちゃんと考えて、責任のあるお返事をしていますと、いくら時間があっても足りません。
※理塾では、遠方の方に向けた「オンライン授業」を受講できます。指導するのは「現役の医大生」もしくは「指導経験豊富な塾長」です。実力十分な講師が指導しますので、ほぼ確実に成績が上がります。「指導もアドバイスもして欲しい」という方は大歓迎ですので、希望される方はご一報ください(電話:0744-24-1915)。